2013.10.10 Thursday 08:26

防音材の仕入れと系列企業の壁

私のような自営業や零細業者の弱点が資材の仕入れ価格です。建築や建材業界は閉鎖的であり、取引実績のない自営業や零細業者には冷たく、取引価格の値引き率も低いです。

私の場合は、会社勤め時代に、自宅マンションの防音工事をするため、直接取引をしてくれるメーカーを探しました。それが現在の取引先です。幸運にも担当者が支店長、課長以上のポジションにいたため、決裁権を持ち、即断してくれました。私の支払いは非常に早く、それが信用につながり、独立開業した時点でも、取引は継続できました。

しかし、約10年が経過し、前任者は転職し、取引がだんだんと疎遠になり始めました。要するに人との付き合い、信頼で取引していたと言えるでしょう。これは通常は私のような自営業が大手問屋を経由せずに取引することが難しいため、門前払いをくらわす企業が多いのです。特に系列以外の業者には取引自体に応じてくれません。

今までの経験では、良い製品を持っている企業ほど、取引に理解を示してくれ、こちらの防音設計手法を有望だと考えてくれたため、将来、売上が伸びるだろうと期待をもって取引に応じてくれることがあるのです。

その後、大手メーカーの製品の品質は費用対効果という観点ではレベルダウンし、割高になりました。むしろ中小メーカーのほうが昔からの品質を保ち続けることを重視し、商いを続けています。
最近、あるメーカーを説得して、取引の窓口を、東京営業所経由で開いてもらいました。メールと電話、防音職人のウェブサイトの実績を提示し、信用してもらったのです。

全体的に、中小メーカーは経営が苦しく、大手メーカーの製品値上げに続いて、値上げを検討している状況です。そこで自衛手段として、中間の問屋を経由しないで取引してもらえる専門業者を探しているのです。
これが私の当面の課題となっています。たとえば、防音室や天井防音などに必要な「制振材(振動音を抑える防音材)」ですが、やっと3種類ほど確保しました。4つ目の製品を現在、交渉中です。
*現場の状況に応じて使い分けることができるように、選択肢や価格低減を有利にするため工夫しているのです。

来年の消費税率のアップは、自営業、中小企業だけでなく、依頼するユーザーにもコスト的に直撃します。
政府は、中小事業者などの苦労など考えずに値上げの引き金を引くのです。生活防衛、経費削減の工夫に頭を悩ませることが、防音対策の課題になるとは不幸なことです。良い対策には良い資材が必要ですから、技術的な開発と適正価格は重要です。
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2013.08.22 Thursday 08:13

遮音材と防音効果

  日常の防音相談でもよく質問されるのが「石膏ボード(PB)の重ね施工」です。

 これをD-25の遮音性能がある木造住宅の壁にPBを重ねて施工すると15dB程度、遮音性能が高まるでしょうか、というものです。

 実際は、500Hz付近の周波数帯が5dB程度、高音域の周波数の一部が5dB程度高くなるだけで、他の周波数は殆ど変化しないだけでなく、低下する周波数が出てきます。
*コインシデンス効果のため、PBなど板状の硬質なボードは大半が同様な傾向を示します。

 石膏ボードのみ重ねて施工することは、壁は過重量になる割には、防音効果は伸びず、防音室では音漏れの目立つ周波数帯が全く改善されないのです。

 本日より3回連続で防音相談をお受けする予定ですが、上記の話が重要なポイントであり、対策の仕様を検討するうえで、いかにしてコインシデンスを抑えながら、コンパクトに遮音効果を高めるかが重要です。

 その答えのベースになるのが、木材、吸音材、遮音・制振材の組み合わせと活用です。ここに防音設計のノウハウがあります。
 実践的な効果や音測定の検証、今までの経験がモノを言う世界です。
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2013.08.11 Sunday 08:05

防音の豆知識やオフレコ

 企業など事業者のウェブサイトには、防音製品のオフレコは掲載されていません。リスクなど特に記載されるはずもなく、このため被害を受けるユーザーはなくなりません。

 また、今までネット上で建築士などによって説明されていた、常識と思われるような対策が重大な問題である、効果がまったくないということも少なくなく、防音職人の無料相談(国立で)において、相談者から情報が提供されることもあります。

 では、なぜ事業者はリスクを隠して販売したり、誇大広告を繰り返すのでしょうか。それは取引先のメーカーの製品や提携先の仕事において、設計・施工内容を批判することは、自らの仕事を、取引先を失うことになるからです。

 私の場合は、取引先の製品でもリスクが判明したり、費用対効果の低い製品は取引を中止してきました。ですから、遠慮なくメーカーの製品の詳細な解説やリスクについても、ウェブページで採り上げています。
 もちろん、メーカーに問題点と対策を伝え、製品の改善につなげています。

 声を出して言うべきことは、ちゃんと相手に説明してから、ユーザーにも注意を呼びかけます。この夏休みに、だいぶメーカーや通販サイトの製品説明などを見ました。残念ながら、私の知っているリスクを説明せずに販売されたり、防音工事の有効性を前面に出しています。

 このような状況は、防音設計・コンサルタント業界などの信頼性を低下させることになります。

 ウェブページは、もっと役立つ豆知識や実例を、いろいろな業者が積極的に掲載して欲しいと思います。

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2013.06.26 Wednesday 16:13

何の防音か、具体的なキーワードが大切

 防音というキーワードで検索すると様々な業者のサイトが出てきますが、検索するユーザーの目的に応じた具体的な言葉を使って探すことが必要です。

 お店でいえば、専門店を探すべきであり、その特長を見極めることが重要です。たとえば、住宅の防音を目的としているのに、車や航空機の技術をそのまま適応するような専門業者は適切とは言えないと思います。

 それは内装や躯体構造が、航空機や車のボディとは材質も構造も異なるからです。構造の特性に応じた対策実績や理論が、目的とする防音に合致しているかどうかを慎重に判断することが大切だと思います。

 また、遮音材ばかり多用して、分厚い天井や壁の内装構造を提案する業者にも注意が必要です。建物の耐久性や室内の使い勝手などの大きな制約となるからです。

 余談ですが、取引先(防音建材メーカー)が私の推奨するツール・システムをもとにウェブサイトを改造することに決めたそうですが、なにか勘違いしたようで、キーワードや中身の骨子の検討をする前に、ウェブページのシステムだけを社内で決めたそうです。

 これは本末転倒であり、目的・具体的なイメージ及びキーコンセプトを決める前に、デザインだけ決めるのは順序が逆です。

 具体的なキーワードを決めることに時間をかけることが最も重要です。それは防音の目的、具体的なキーワードを絞り込む作業と同じことです。

 いくら、あるキーワードで検索結果が上位に来ても、コンテンツとキーワードがマッチしなければ、効果はありません。
 逆に小さなブログでも、探し求める情報が投稿されている記事が、カテゴリーごとに整理されているほうがユーザーには余程ありがたいものです。

 それに実例がリンクされていれば、更に有効でしょう。

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2013.06.10 Monday 07:30

マンション防音は保証はできない

 マンション防音のうち、保証できないのが「天井防音」です。

 それは、躯体の剛性や強度の劣化、設計・施工上の問題で、予想外に振動などが響きやすい現場があるからです。
*ひび割れがひどい現場もあるので、想定が難しい。

 このような状況に加えて、依頼者の問題もあります。先日、現場下見をしてから見積書・仕様書を提示した件があったのですが、その人は無断でほかの業者に書類を見せてしまったのです。
*当然ながら契約を信頼して交わすことができないので、私のほうから断りました。

 マンションは完璧な防音など不可能な構造ですから、リスクも多く、居住者間の問題もあり複雑です。そのうえ、私が苦労して作ってきた防音仕様を、他の業者に見せられたのでは、苦労も水の泡です。

 さらに、着工には相当な準備期間がかかる割に、商いの面では利益は少なく、通常のリフォームに比較して半分以下です。
*防音材などの経費がかさむので、どうしても依頼者の見積りを成立させるため、自分たちの経費を削るのです。その結果、人件費を減らし、自分の身を削るような商いになります。

 一方、木造の件は、着工に制約がほとんどなくスケジュール管理が楽なため、人件費もあまりかかりません。その分、工事費用も多少安くできます。

 マンションの生活騒音対策を目的とする防音工事を実施できる専門業者が少ないのは、利益率が低い、内容が難しい、という2点がネックになるためです。

 ちなみに、具体的なマンションの防音工事の事例をウェブサイト上で公開しているのは、防音職人だけだと相談者に言われます。

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2013.05.19 Sunday 08:47

音の周波数と防音対策

 昨日の防音相談の相談者は、「音波に関する専門職」の仕事をされているそうで、防音職人が音の周波数に着目していることには十分理解できると言われました。

 他の防音専門サイトは、素材の持つ周波数ごとの遮音特性や弱点などに触れていないので、あまりにも防音を簡単に捉えているので、信憑性に欠けると思われたそうです。

 防音材や内装構造は、すべての周波数の音を一律に遮断できるわけではなく、遮断しにくい低周波音などばらつきがあるわけです。
 それを無視して、空気音に対してD-35とかD-45の遮音性能があると言っても実態と乖離するのです。また振動音など固体音については、空気音の遮音データは通用しません。

 メーカーの実験データは目安であり、現場の構造や形態・間取りなどによって防音設計は内容が変化します。万能な対策はありません。
 音漏れのしない防音工事というものは存在しません。

 もし、そのようなことを謳っている業者がいましたら、眉つばものです。少なくとも誇大広告です。

 NHKのスタジオでさえ、測定するとわずかながら音漏れはしていることが、周波数ごとの数値でわかるそうです。

 スタジオ防音は住宅に隣接して計画はせず、離して造るのです。それは完全防音は現実的なコストでは実現できないことを専門家は知っているからです。

 防音の課題は、周波数ごとの遮音性能との闘いでもあります。

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2013.05.15 Wednesday 08:34

防音相談と依頼者の対応

 今年は、相談者のレスポンスが極端で、誠実に対応していただける人、そうでない人に分かれています。

 中には私のアドバイス・提案を無視して、他の業者に防音工事・リフォームを依頼し、失敗したあげく、また再度、相談をしてくる人がいます。

 私としては、当然なのですが、誠実に対応していただき契約や予約をいただいた人を最優先します。

 少しでも安い業者に依頼されるのは十分理解できますが、提案内容を公平に比較してから判断していただきたいです。
 石膏ボードと遮音シート、グラスウールのみの提案と、私が提案する内容はだいぶ違います。

 この点をご理解いただけた人は、すでに無事工事も完了して、うれしいご報告をいただいています。

 遠方の現場でも、建築士やリフォーム業者が、もう少しで失敗するところを助けることができた現場が3件ありました。

 私も事業者ですので、利益は必要ですが、最初の相談の段階では冷静に状況を分析し、対策の方向を提示することに徹しています。
 工事や注文依頼を前提にして見積りを前面に出しているわけではありません。

 建築・防音のコンサルタント、技術者として知見と、自分の設計標準に基づいて検討しています。

 この点も、現在改造中の防音職人の本体サイトが完成すれば、ご理解いただけると思います。

 防音の課題は、むしろ、依頼者の情報提供や対応のレベルに左右されることが多く、対応が遅い場合は、根本的な解決策は打ち出せないこともありますが、できる限りの対策を検討しています。

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2013.03.16 Saturday 13:44

防音設計の目的を伝えること

 防音相談で、一番重要なことは防音設計の目的、施工内容を理解していただくことです。

 遮音、制振、吸音の役割や構造を説明し、設計と施工の目的を伝えることがポイントであり、これを明確なコンセプト・イメージで伝えることが必要です。

 コンセプト・イメージは、方針・概念をラフスケッチで説明し、間取り図などに施工・対策の範囲をマーキングします。

 防音設計を図面で表現しないと、施工はできないことを説明します。

 また、防音材の施工の留意点や表層材など仕上げのイメージを伝えます。ここまで概ね御理解いただけたら、見積りを作成します。

 いきなり、最初から見積りを作成するのではなく、概要を御理解いただけた段階で、具体的な見積り作業を行います。
 これが防音職人ウェブマスターである私のやり方です。

 ちなみに防音イコール遮音ではなく、=遮音+制振+吸音です。これが設計に必要な機能です。

 これらの機能をどのように構成するか、防音材に何を選ぶかが、防音設計の主な課題です。

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2012.11.18 Sunday 08:31

防音の技術力と提携先

 一緒に仕事をしているスタッフや知人関係、相談者から、なぜ仕事をもらえないのに付き合い続けるのかと聞かれたことがありました。

 利益を考えれば他にも有力な提携先などが見つかるのでは?という感想だと思います。

 余り詳しい事情は説明できませんでしたが、それは私の防音設計手法や工法を理解してくれる業者が、他に見つけにくい、ノウハウ流出を防がなければならない事情があり、従来の取引先を堅持しているわけです。

 とくに難しい現場に当たったとき、自分の考えを確かめるためにも、理解者に意見を求めることが重要です。

 私の場合、設計も工事も手作りで、直接発注ですから、資材加工の外注、音測定の委託以外は、全部自分の手の届く範囲に置いておきたいという考えです。

 また、市販品以外で、入手したい製品は提携先を活用しないと話が進みません。防音の世界は非常に閉鎖的で、意外と業者間の協力というものが少なく、圧倒的に製品を販売する業者が多いのです。
 住宅では、まともな防音対策の設計・施工が出来る専門業者が非常に少ないという特殊事情があります。歴史が浅い、技術の検証が余り進んでいない分野です。

 だから、現在の取引先、提携先は必要なのです。

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2012.09.04 Tuesday 18:12

天井と床の重量衝撃音対策

 提携先から、あるマンションの重量衝撃音に関する測定結果と、今後の対策の方針が来ました。

 床の対策は剛性を強めること、制振材を厚く・重くすることでした。

 結局、これらは防音職人(私)が実践してきた内容です(笑)。私が現場での場数を踏みながら、研究マニュアルや設計指針などをベースに防音設計を組み立ててきた内容です。

 問題は費用です。

 天井に関しても二重床と同様に共振周波数が概ね63Hz付近にきます。これは私の担当現場の測定結果、音響学会の研究レポートと合致します。

 提携先は、今まで私が説明してきたことを半分くらい忘れているようです。まあ、最近は殆どの現場の防音設計を私が担当しているので問題はありませんが(笑)。

 現実の現場で、今まで説明していた理論が裏づけられることは重要です。我々、防音職人と提携先のチームだけでしょう。実際の現場に適用できる具体的な理論と実践工法を保有するのは。

 私が本気で設計できる予算があれば、大半のマンション現場で十分な効果が期待できると見ています。

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